2009年12月27日日曜日

JAL問題: 「企業年金に税金を投入することは許せない」って人から学ぶお金の考え方

JAL問題が騒がれる中、論点の1つに「企業年金の負債を何とかしないと少なくとも政府は支援しない」という点があるそうです。それに対してニュースの街頭インタビューを見ると「JALの無駄遣いに我々の税金を投入することは許せない」という意見が多いようです。これってどうなんでしょうか?

個人的な意見を言えば、退職した人に鞭打つようなマネを(少なくとも政府が)してはダメだと思います。企業年金が問題であるならば、むしろ全額支給できるように策を練るべきだと思います。社員に罪はありません(私はJAL社員じゃありませんよ。念のため)。まー他人の無駄遣いの返済に自分のお金を出すという行為が納得行かないのも分からないでもないですが、無駄遣いをしたのは社員じゃありませんし、退職者から見ても自分が収めたお金が戻ってこない(正確には利回り分がもらえないのですが)のは納得行かないと思います。せめてもの救いとして、自分(退職者)が納めた税金で穴埋めするのは当然、と思っているかもしれません。少なくとも私ならそう思います。

ちょっと前に問題になった国民年金問題の時は、「失われた年金」のためにみんなで救済に賛成していた癖に、一企業の話となるところっと意見が変わる人がいるのは悲しいことです(国民の多くはサラリーマンなのに。。)。年金減額されたら誰だって苦しくなるんですよ。今回の論点の対象者はJALではなくJALの退職者であることを忘れてはいけません。

ここから先は「JALに公的資金を投入することが決定している」と仮定した場合の話をします。JALの無駄遣いに税金を投入することは許せないと言う人は、自分が同じ立場だったら年金減額を喜んで受け入れるのでしょうか。これは本件に限らないことなのですが、結局自分(第三者)が収めた税金が他人のために使われることを癪に障るだけなのでしょう。自分が恩恵を享受できない施策は許せない、と感じるのであればそれはエゴというものです。あなたが収めたお金は国のものです。それを「自分が払ったお金だから自分が得する施策に使え」というのは何ともおこがましいことです。それを言ったら、サラリーマンがもらう給料は全て会社のお金であり、その元をたどれば誰かが払ったお金なのです。そんなことをいちいち考えてお金を使っていますか?

「お金は天下の通用」、巡り巡るものなのです。税金の使われ方にいちいち目くじら立ててたら、何もできなくなりますよ。わがまま言うのはやめて、受け入れましょう。少なくとも、損はしていないわけですから(今のところ)。

もちろん、納得行かない使われ方に腹をたてることが多々あるのも事実ですけどね。今回の場合も「自業自得。勝手に潰れろ」という意見が正しいのかもしれません。インフラ業の大企業だから救ってもらえる、という考え方の方がおこがましいのは間違いありません。

ちなみに、社長に責任を取れと言う意見もありますが、責任なんか取れないでしょう。辞めることは何の解決にもなりませんしね。責任取って事態を収拾できるぐらいなら支援なんてしません。

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