2011年4月3日日曜日

[原発関連]素人が調べたQ&A

原発がやばい状態にあって、いつまでも心が落ち着かない昨今ですね。

ただただ不安にしてても仕方ないので、報道聞いてても分からないことについて、今まで個人的に調べた結果をまとめます

筆者は原発には完全な素人ですので、ここに書いてあることが正しくない可能性は大いにあります。ご注意ください。

原子力保安院って何?

正確には「原子力安全・保安院」。立場的には、経済産業省の外局である「資源エネルギー庁」の特別機関です。

原子力や電力やガスなんかの安全を保つため、立入検査、報告徴収、業務改善命令を出したりします。

そのため、今回原発問題が発生した際に東電に対して調査命令、報告命令を出し、その結果を逐次発表しているわけです。

大きな見方をすれば、この人達の発言は政府の見解であると拡大解釈することもできます。

2ch、ニコ動等で「不安院」と呼ばれているのはここの人達の事です。

「不安員」は誤字。

どうしてこうなった?

地震と津波に端を発していることは明らかです。ですがここまでことが大きくなるにはいくつか原因があります。

まず、地震そのものではそれほどダメージはなかったようです。そう言えるのは地震発生時に原発の停止は成功したからです。

次に津波ですが、こいつが事を大きくしています。原発で非常事態が起きた場合、やらなきゃならない3つのこととして「止める・冷やす・閉じ込める」というのがあるそうですが、このうち福島第一原発で成功したのは「止める」だけ。「冷やす」は冷却装置が動かなかった&燃料タンクが流されたことにより実施不可となってしまいました。

冷却装置が動かなかったのは非常要電源が動かなかったから、と言われていますが、なんで動かなかったのかは不明(誰か知ってたら教えてください)。地震の影響でしょうか? ちなみに非常要電源は地下施設にあるそうです。

燃料タンクが流されたのは津波のせいですが、なんで津波が来るような場所にそんなもん置いておくのかというと、タンカーで給油するのに便利だからだそうです(人からの伝聞)。

電源装置にしろ燃料タンクにしろ、海から離れたところに置けよ、と考えてしまいそうですが、丸裸で置いといたわけではないですし、高台に置くと地震に弱くなってしまう(参考記事)そうです。

結果として、電源がない→冷却ができない→燃料棒の熱で圧力容器内の水が蒸発→燃料棒が露出→露出した部分がどんどん発熱→燃料棒の被覆が破損(!?)という流れになっています。

直ちに健康に影響がないって本当?

「直ちに」がどの程度の期間を表すのかにもよりますが、数日以内に影響はないと思います。ですが逆に、数年~数十年後には発ガン率があがるなどの影響が出る可能性はあるそうです。

ちなみに人間が1年間に浴びても良いとされる放射線量は1mSvです。でもこの値を超えた放射線を浴びても直ちに健康に影響はありません。24日に原発作業員がベータ線熱傷(放射線熱傷の一種)を起こしましたが、これは放射性物質が長時間肌にくっついていた場合になるものなので、単純に放射線を浴び続けていてもなりません(多分)。

そもそも、放射線被曝によって「直ちに影響が出る」レベルになっていたらアウトだと思うのですが、人間は1000mSvぐらい浴びないとすぐに死の可能性は出ないそうです。大量の放射線被曝による発ガン率の上昇だって、その影響は数年~数十年後に現れるもので、そのときになってから被曝が原因だと証明するのも難しそうです。しかも確率論なので、たくさん浴びても何の異常も来さない人もたくさんいるはずです。なので、この「直ちに~」というのは、何の尺度にもならない見解だということです。

あと、テレビなんかで原発付近の放射線量をCTスキャンや飛行機での移動時の被爆量と比較していますが、あれは時間あたりに浴びる放射線量です(単位はmSv/hまたはμSv/hなど)。なので「CTスキャンの10分の1なので安全」というのであれば「じゃあ1日2時間浴び続けてたら5日でCTスキャン1時間浴びるのと同じってこと?」って話になります。

結局、年間で累積どの程度の線量を浴びるかが肝であり、瞬間値をどうのこうの言っても、あまり意味がありません。

今年の流行語大賞にノミネートされるのではと早くも囁かれています。

よく出てくる単位: Sv(シーベルト)、Bq(ベクレル)、Gy(グレイ)って何?

Bqが放射線の量の単位。SvとGyが放射線の強さの単位。放射性物質からの距離や遮蔽物の影響を考えた放射線の強さ(吸収線量)の単位がGy、さらにそれに放射線の種類ごとの人体に与える影響度合いを積算した放射線の強さ(線量当量)の単位がSvです。

原発からの放射線量がSvで発表されるのは、実際に人体に影響を与える度合いを意味しているからです。

ほうれん草や水の汚染報道時にに出てくる単位がBqなのは、単純に付着している放射線の量を表しているからです。その気になれば、汚染されたほうれん草畑から100m地点にある農家がどの程度の線量当量を受けるか測定出来るかもしれませんが、どうせ検出限界未満でしょう。

チェルノブイリみたいになることあなるの?

まず、チェルノブイリ(以下チェルノ)原発の事件とは状況が全然違うので、同じ事故は起こりません。チェルノは原子炉フルパワー動作中にふっ飛んだのに対し、福島第一原発は既に動作を停止しています。なので、よほど意図的なオペミスをしない限り、同じ事象は起こりません。

ですが、自己の結果放射性物質が漏洩している点は同じです。福島第一原発でも海水汚染などで放射性物質の漏洩がありますので、この状態が続けば、放射能汚染が広がることは変わりありません。

ちなみに福島第一原発も水素爆発を起こしていますが、あれは建屋上部が吹っ飛んだだけなので、事象は別です。

もうこんなこと起こらないように原発止めればよくね?

まず、今全国にある原発を全て停止した場合、他の発電所では電力供給が足りません。これは今運転を停止している発電所を全て動作させた場合でも足りないそうです(東電の会見内容より)。

一方、火力発電所をもっと新設すれば、必要電力をまかなえるかもしれませんが、これだとCOP15で日本が(というか鳩山が)掲げたCO2の25%削減に反することになります。

結局、発電効率の高い発電方法閃くか、消費電力半減する商品がブレークスルーされない限り、原発に頼らざるをえない状況は変わらないと思います。

繰り返しになりますが、伝聞や私見が多大に含まれていることをご理解ください。

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